人の本質に気が付くには
人の本質に気が付く為に、重要な事。
それを昨晩の夢の内容から、お伝えできればと思います。
頑固そうな親父とその息子、そしてもう一人年配女性のアルバイトの3人で運営してるラーメン屋。
店内には、長らく待たせているお客が2~3人。
一人は、わたしの厨房から見える斜め前に居る長い黒髪の女性。
黄色やオレンジの色のはいったTシャツを着ていて、一見風変わりな雰囲気。
もう一人も女性で、ビジネススーツにしっかりとした身なりで、セールス担当のような風貌。
奥にいたもう一人のお客は、スーツを着た中年男性。
親父は、なにやら電話機を気にしている。
電話の子機が動かないのだ。
『なんで、動かん。。』
と、目の前の出来上がりラーメンがあるのにもかかわらず、
子機を裏返したり、子機を立てて充電する台に置いてみたりを繰り返している。
わたしの目の前にあるラーメンは、もう湯気すら出てこない。
奥にいたスーツの中年男性は、あきれたように出ていった。この冷めたラーメンは彼のものだった。
更には、近くにいてイライラしているスーツのセールス担当のような女性もさすがに待ちきれない様子。
すごい形相で親父をにらみつけながら、お店を出ていった。
しかし、こういう人達は、なぜ何も言わずにキレて出ていってしまったのだろう。と、考えていたら、親父がいきなり別のお椀にスープを入れ始めた。
とても、いい香りで美味そう。
長い黒髪の風変わりなTシャツの女性は、厨房の目の前にゆっくり歩き、親父の目の前で突っ立っていた。
そして彼女も私も何も言わずに彼を見ていて、
冷めたラーメンもそのままで、
親父のあるがままを受け入れるかのように、ひたすら待っていた。
異常な光景に聞こえるかもであるが、
その瞬間感じたのはやさしさである。
そうして、
ようやく一杯のラーメンが完成。
しかし、このラーメンの器。割れていて、そこら中に穴やヒビがあった。
穴を押さえてスープがこぼれないようにして、
長い黒髪の風変わりなTシャツの女性を厨房近くの四角いテーブルの席に座ってもらい、
そのままそこにその器を置いた。
親父は、一瞬で二杯ものラーメンをこしらえていて、
『ほら、お前も食え。そこに座って。』
しかも、そのわたしの器にはヒビは入っておらず綺麗なものであった。
なぜ、お客さんにはあの器で、
わたしには綺麗なものをよこしたのだろうと不思議に思ったが、
親父はそういう人だ。で、納得した。
はっきり言って、
親父はお客さんもわたしにも平等に接しているのだ。
だからどのような器がどのような方に当たろうが親父にとっては同じであり、
まったく気にしていないのである。
『ほら、お前もそこに座って食え。』
年配のアルバイトの女性も厨房からでて、
真ん中の厨房から近くにある四角いテーブルの席で、
長い黒髪の風変わりなTシャツを着た女性の隣に一緒に座った。
私も同席の長い黒髪の風変わりなTシャツの女性の目の前に座って、ラーメンを食べ始めた。
親父は、うれしそうに、
『三人の写真撮るわ。』
と、写真を撮る準備をしていた。
長い黒髪の風変わりなTシャツを着た女性も、うれしそうにラーメンを食べていた。
あれだけ待たされたのに嫌な顔せずに、
本当に子供のような笑顔でラーメンを食べていた。
しかも、謎に店員が隣と前にいて一緒にラーメンを食べていることにもお構いなし。
そんな彼女が、とても素敵に見えた。
それが、人間の本質を気が付くという事。
その重要な事を彼女を見て思った。
それは、
状況を受け入れる力。
ラーメンが出来ているのに電話機をいじっているラーメン店主がいても、
どのくらい待たされても、
店員が座って隣で一緒にラーメンをすすっていても、
まったくお構いなし。
彼女は、自分はラーメンが食べたい。という事のみに全身全霊であったのだ。
親父も人間の本質を見抜く術を教えてくれた。
それは、
人によって態度を変えない。
この二人には共通点があるように思えたし、
彼らは自分も人も状況でさえも同じようにリスペクトをしている。
このように、人間の本質が出る時にしっかりとした人間力を感じる術、
それが今回二人から学ぶことが出来た。
有難いな。
この四角いテーブルの席に三人で座って一緒にラーメンを食べるというのが少し奇妙であるが、
なんだか心地良い時間だ。
ああ、
たぶんこれは恋かもしれないと悟った。
終